世田谷区千歳烏山駅徒歩2分の歯医者「千歳烏山交番通り歯科」です。
笑うたびに口元が気になってしまい、写真に写るのが苦手だと感じていませんか。特に前歯が突出している「出っ歯」は、見た目の印象に大きく影響するため、矯正治療を検討される方も多いでしょう。しかし、「目立つワイヤー矯正には抵抗がある」と感じ、なかなか一歩を踏み出せずにいる方もいらっしゃるかもしれません。
そんな中、透明で目立ちにくいマウスピース矯正は、多くの方にとって魅力的な選択肢となっています。しかし、マウスピース矯正はすべての出っ歯を改善できるわけではありません。「どのような出っ歯であればマウスピース矯正で改善可能なのか」「残念ながら治療が難しいのはどのようなケースなのか」といった疑問をお持ちではないでしょうか。
この記事では、マウスピース矯正による出っ歯治療について、その適応範囲から治療が難しい人の特徴、治療のメリット・デメリット、さらに費用や期間の目安まで、網羅的に解説します。ご自身の出っ歯の状態と照らし合わせながら読み進めていただくことで、マウスピース矯正が自分に合った治療法なのか、後悔のない選択をするための判断材料を得られるでしょう。
【結論】出っ歯はマウスピース矯正で改善可能!ただし適応には条件が
軽度から中程度の歯が原因の出っ歯であれば、マウスピース矯正で改善が見込めます。特に、前歯の傾きや位置の問題が主である「歯性の出っ歯」の場合、マウスピースの段階的な力を利用して歯を適切な位置に移動させることが可能です。透明なマウスピースで、目立たずに歯並びを整えることができるため、多くの方に選ばれています。
ただし、マウスピース矯正による出っ歯治療の成功には、いくつかの条件があります。出っ歯の原因が「歯」にあるのか、それとも「顎の骨格」にあるのかによって、治療の難易度や適応が大きく異なります。また、歯を動かす距離や量(出っ歯の重症度)、そして抜歯が必要になるかどうかなども、マウスピース矯正で対応可能かどうかを判断する重要な要素となります。
ご自身の出っ歯がマウスピース矯正で治せるのかは、これらの要因によって異なります。この後で詳しく解説していきますので、ご自身の状況と照らし合わせながら、最適な治療法を見つけるための参考にしてください。
そもそも出っ歯とは?原因とセルフチェック方法
マウスピース矯正の適応を考える前に、まずはご自身の「出っ歯」の状態を正しく理解することが大切です。出っ歯は単に前歯が出ている状態を指すだけでなく、その原因や程度によって治療法が大きく異なります。この章では、出っ歯の医学的な定義や主な原因、そして放置した場合にどのようなリスクがあるのかについて詳しく解説します。
出っ歯の定義:何ミリからが出っ歯?
出っ歯は、専門的には「上顎前突(じょうがくぜんとつ)」と呼ばれ、一般的に上の前歯が下の前歯よりも大きく前に出ている状態を指します。客観的な診断基準として、上の前歯と下の前歯の水平的な距離(オーバージェット)が用いられます。日本人の場合、このオーバージェットは通常2〜3mm程度とされています。
このオーバージェットが4mm以上あると、歯科医学的に「出っ歯」と診断されることが多いです。ご自身で簡単にチェックする方法としては、鏡を見ながら定規を使って測ることもできますが、これはあくまで目安に過ぎません。正確な診断には、歯科医師によるレントゲン撮影や口腔内検査を含む精密検査が不可欠であることをご理解ください。
出っ歯になる主な原因
出っ歯が生じる原因は一つではなく、大きく分けて「先天的な原因」と「後天的な原因」の2つがあります。これらの原因を理解することは、ご自身に合った治療法を見つける上で非常に重要です。
先天的な原因としては、遺伝による骨格の不調和が挙げられます。例えば、上顎が下顎に比べて過度に大きい、あるいは下顎が極端に小さいといった骨格的な問題がある場合です。このようなケースは「骨格性の出っ歯」と呼ばれ、歯の傾きだけでなく顎の骨の位置関係に問題があるため、治療が複雑になる傾向があります。
一方、後天的な原因は、日常生活における癖や習慣が長期間にわたって歯並びに影響を与えるものです。幼少期の指しゃぶり、舌で前歯を押し出す「舌癖」、口呼吸、爪を噛む癖などがこれに当たります。これらの癖は、持続的に歯に力がかかることで、歯が徐々に前方に傾いてしまい、「歯性の出っ歯」を引き起こす主な原因となります。ご自身の出っ歯がどちらのタイプに近いのかを知ることで、マウスピース矯正が適応となるかどうかの判断材料になります。
【要注意】出っ歯を放置するリスク
出っ歯は単に見た目の問題と捉えられがちですが、放置することでさまざまな健康上のリスクや日常生活における不便が生じる可能性があります。まず審美面では、口元が突出して見えることや、口が閉じにくいために顔の印象に影響を与え、それがコンプレックスにつながることが少なくありません。笑顔に自信が持てず、口元を隠すような仕草が増えるといった精神的なストレスを感じる方もいらっしゃいます。
機能面では、上の前歯が邪魔をして、食べ物を前歯でうまく噛み切ることが難しくなったり、特定の音が発音しにくくなったりする(滑舌の悪化)ことがあります。また、衛生面においては、歯並びが複雑になることで歯ブラシが届きにくい箇所が増え、磨き残しが多くなります。これにより、虫歯や歯周病のリスクが高まるだけでなく、口が閉じにくいことで口腔内が乾燥しやすくなり、唾液による自浄作用が低下することも、さらなる口腔トラブルを招く原因となります。
さらに、出っ歯は転倒などの際に突出した前歯をぶつけやすく、歯が折れたり欠けたりする外傷のリスクが高いことも特徴です。唇を切りやすいといった怪我のリスクも増大します。これらのリスクを総合的に考慮すると、出っ歯は早期に適切な治療を検討することが望ましいと言えるでしょう。
マウスピース矯正ができない・難しい人の5つの特徴
手軽で目立たない人気のマウスピース矯正ですが、残念ながらすべての出っ歯に対応できるわけではありません。これから解説する5つの特徴に当てはまる場合、マウスピース矯正だけでは治療が困難になる、あるいは不可能である可能性があります。ご自身の出っ歯の状態がこれらの特徴に当てはまらないか、客観的に判断するためのガイドとして読み進めてみてください。
特徴1:骨格に原因がある「骨格性の出っ歯」
マウスピース矯正が難しいケースの代表例として挙げられるのが、「骨格性の出っ歯」です。マウスピース矯正は、基本的に歯の傾きや位置を調整することで歯並びを改善する治療法であり、顎の骨そのものの大きさや位置を変えることはできません。そのため、出っ歯の原因が歯の傾きではなく、上顎が過度に発達している、または下顎が極端に小さいといった顎の骨の不調和にある場合は、マウスピース矯正だけで根本的な改善を図ることは難しいと言えます。
このような骨格性の問題が主な原因である出っ歯の場合、顎の骨を切る外科手術を伴う「外科矯正」が第一選択肢となることがほとんどです。マウスピース矯正は、歯の移動を通じて口元をある程度引っ込めることは可能ですが、骨格全体の問題を解決するには限界があることを理解しておくことが重要です。
特徴2:歯を大きく動かす必要がある「重度の出っ歯」
出っ歯の重症度も、マウスピース矯正の適応を左右する重要な要素です。例えば、上の前歯が下の前歯よりも8mm以上前に出ているような、オーバージェットが非常に大きい「重度の出っ歯」の場合、前歯を大きく後方に移動させる必要があります。
マウスピース矯正は、歯を傾けるような動き(傾斜移動)は得意ですが、歯の根元から歯全体を平行に大きく動かす「歯体移動」は苦手とする傾向があります。大きな移動量を伴う場合、より強力かつ精密な力を継続的に加えられるワイヤー矯正の方が、治療計画通りに進めやすいことがあります。ただし、マウスピース矯正の技術は日々進化しており、アタッチメントや補助装置を併用することで、以前は難しいとされた症例でも対応可能になってきています。最終的な適応判断は、歯科医師の精密な診断と経験によって決まるため、まずは相談してみることをおすすめします。
特徴3:抜歯が必要で、その後の歯の移動が複雑な場合
出っ歯の治療では、前歯を後ろに下げるためのスペースを確保するために、小臼歯などを抜歯することがあります。抜歯によってできた大きな隙間を閉じるためには、歯を大きく、そして非常に精密にコントロールしながら移動させる必要があります。
特に、歯が傾いて倒れ込んだり、歯の根の向きが意図しない方向に動いてしまったりしないように動かすことは、高度な技術を要します。このような複雑な歯体移動を伴う抜歯症例では、ワイヤー矯正の方が歯を三次元的にコントロールしやすく、安定した結果を得やすい場合があります。しかし、最近ではマウスピース矯正の設計技術やアタッチメントの活用により、抜歯を伴う症例にも対応できるケースが増えています。ご自身の症例が抜歯を伴う場合でも、まずは専門の歯科医師に相談して、マウスピース矯正が可能かどうかを確認することが大切です。
特徴4:インプラントなど動かせない歯がある
口腔内に歯科インプラントや、複数の歯が連結されたブリッジといった動かせない歯が存在する場合も、マウスピース矯正の治療計画に大きな制約が生じることがあります。これらの人工歯は、顎の骨と強固に結合しているため、矯正力では動かせません。
動かせない歯が、理想的な歯並びを作るための歯の移動経路の邪魔になったり、矯正治療に必要な固定源として機能しなかったりする場合があります。このような状況では、マウスピース矯正による治療計画そのものが立てられない、あるいは大幅に修正する必要があるため、治療期間が長くなったり、希望通りの結果が得られにくくなったりする可能性があります。経験豊富な歯科医師であれば、動かせない歯がある場合でも、それを踏まえた上で最適な治療計画を提案してくれますので、まずは相談することが重要です。
特徴5:自己管理が難しい(装着時間を守れない)
マウスピース矯正の成否を分ける最も重要な要素は、患者さんご自身の「自己管理能力」です。マウスピース矯正は、1日20時間以上(ブランドによっては22時間以上)という、非常に長い装着時間を守ることが絶対条件となります。この装着時間を守れないと、計画通りに歯が動かず、治療期間が大幅に延びてしまうだけでなく、次のステップのマウスピースが歯に適合しない「アンフィット」という状態に陥るリスクが高まります。
アンフィットが発生すると、治療計画の再作成(リファインメント)が必要となり、追加の費用や期間が発生することがほとんどです。マウスピースを取り外せるというメリットは、裏を返せば自己管理ができない人にとっては最大のデメリットになり得ます。食事や歯磨きの時以外は常に装着するという強い意志と、日々の習慣化がマウスピース矯正を成功させるための不可欠な条件であることをしっかり認識しておきましょう。
出っ歯をマウスピース矯正で治すメリット・デメリット
マウスピース矯正で出っ歯の治療が可能と診断された場合、この治療法を選ぶことには多くのメリットがありますが、もちろんデメリットも存在します。ここでは、マウスピース矯正の利点と注意点の両方を詳しく解説しますので、ご自身の状況と照らし合わせながら、自分に合った治療法なのかを判断する参考にしてください。
メリット:目立たない・衛生的・痛みが少ない
マウスピース矯正で出っ歯を治療する主なメリットは、目立ちにくいこと、衛生的に保ちやすいこと、そして痛みが少ないことの3点です。
まず、最大の特長はその「目立ちにくさ」にあります。透明なプラスチック製のマウスピースは、装着していても周囲に気づかれにくいため、接客業や人前に出る機会が多い方にとって大きな利点となります。ワイヤー矯正のように金属の装置が目立つ心配がないため、治療中でも口元を気にすることなく、自信を持って笑顔を保つことができるでしょう。
次に「衛生的」である点も大きなメリットです。マウスピースは食事や歯磨きの際にいつでも取り外すことができます。これにより、ワイヤー矯正で懸念される食べ物の詰まりや、装置が邪魔になって歯が磨きにくいといった心配がありません。普段通りに丁寧に歯磨きができるため、矯正治療中に虫歯や歯周病のリスクを高めてしまうことを防ぎ、口腔内を清潔に保ちやすくなります。
そして、マウスピース矯正は「痛みが少ない」傾向にあるとされています。ワイヤー矯正が歯に比較的強い力を一度にかけるのに対し、マウスピース矯正は段階的に少しずつ歯を動かしていくため、歯にかかる力が穏やかです。そのため、矯正特有の鈍い痛みや不快感が比較的少ないと感じる方が多いようです。また、口の中にブラケットやワイヤーといった金属の突起がないため、粘膜に擦れて口内炎ができる心配もほとんどありません。
デメリット:自己管理が必須・適応症例が限られる
多くのメリットがある一方で、マウスピース矯正にはデメリットも存在します。特に重要なのは、患者さん自身の自己管理能力と、治療できる症例が限られるという点です。
最大のデメリットは、やはり「自己管理が必須」であることです。マウスピース矯正は、取り外しができるというメリットの裏返しとして、患者さん自身が責任を持って装着時間を守らなければなりません。一般的に、1日20時間以上(ブランドによっては22時間以上)の装着が求められますが、この時間を守れないと、計画通りに歯が動かず治療期間が延びたり、最悪の場合は治療計画の再立案が必要になることもあります。取り外しが可能なため、ついうっかり装着を忘れてしまったり、自己判断で外している時間が長くなったりすると、せっかくの治療がうまく進まなくなってしまいます。
また、これまでのセクションで説明してきたように、マウスピース矯正には「適応症例が限られる」というデメリットもあります。例えば、骨格に原因がある重度の出っ歯や、歯を大きく複雑に移動させる必要がある症例、抜歯を伴うようなケースでは、マウスピース矯正だけでの治療が難しい、あるいは不可能であると診断されることがあります。技術の進歩により適応範囲は広がっていますが、ワイヤー矯正と比較すると、まだまだ対応できる症例に差があるのが現状です。
そのほかにも、日常生活でのいくつかの制約も挙げられます。例えば、食事のたびにマウスピースを取り外す手間がかかることや、装着中は水以外の糖分を含む飲み物や色の濃い飲み物(コーヒーや紅茶など)を飲むと、マウスピースが着色したり虫歯のリスクが高まったりするため、控える必要があります。こうした日常生活の中での細かなルールを守っていくことも、マウスピース矯正を成功させる上での課題となるでしょう。
出っ歯のマウスピース矯正|期間と費用の目安を解説
実際にマウスピース矯正で出っ歯を治療するとなると、どのくらいの期間と費用がかかるのでしょうか。治療期間や費用は、お口の状態や治療範囲(部分矯正か全体矯正か)によって大きく異なります。ここでは、あくまで一般的な目安として、出っ歯のマウスピース矯正における期間と費用について詳しく解説します。
治療期間の目安:部分矯正と全体矯正
出っ歯のマウスピース矯正における治療期間は、治療する範囲によって大きく異なります。前歯の軽微な傾きや突出を改善する「部分矯正」の場合、数ヶ月から1年程度で治療が完了することが多いです。これは、動かす歯の本数が少なく、移動距離も短いため比較的早く結果が出やすいからです。
一方、奥歯の噛み合わせまで含めて全体的に歯並びを整える「全体矯正」の場合、治療期間は1年半から3年程度が目安となります。出っ歯の治療では、前歯を大きく後退させるために全体矯正が選択されるケースが多いです。これらの期間は、患者さまの協力度(マウスピースの装着時間など)や歯の動きやすさによって変動することを理解しておくことが大切です。
費用の目安:ワイヤー矯正との比較
マウスピース矯正にかかる費用も、治療範囲や選択するマウスピースのブランド、クリニックによって幅があります。部分矯正の場合は30万円から60万円程度、全体矯正の場合は80万円から120万円程度が一般的な相場とされています。この費用には、検査診断料、装置料、毎月の調整料などが含まれることが多いですが、事前に内訳を確認することが重要です。
ワイヤー矯正と比較すると、マウスピース矯正は表側のワイヤー矯正よりも高額になる傾向がありますが、歯の裏側に装置を装着する舌側矯正と同程度か、場合によってはそれよりも安価になることもあります。治療費用は医療費控除の対象となる場合もありますので、詳しくは税務署や歯科医院に確認してみましょう。
後悔しないために!マウスピース矯正を成功させるポイント
マウスピース矯正は、いくつかの重要なポイントを守ることで、治療効果を最大限に引き出し、後悔のない結果へと繋げることができます。これからご紹介する4つの行動指針は、患者様ご自身の努力が治療結果を左右する重要な要素となります。
1. 1日20時間以上の装着時間を守る
マウスピース矯正の成功を大きく左右するのは、何よりも「装着時間の遵守」です。1日20時間以上、できれば22時間以上の装着が推奨されており、この時間を守ることが治療計画通りに歯を動かすための絶対条件となります。歯が動くメカニズムは、マウスピースから加えられた力が歯周組織に伝わり、骨が吸収と再生を繰り返す「骨のリモデリング」という生物学的反応によるものです。この反応を継続的に引き起こすためには、歯に一定の力をかけ続ける必要があり、装着時間が不足すると歯の動きが滞ってしまいます。
装着時間が短いと、計画通りに歯が動かないだけでなく、せっかく動いた歯が元の位置に戻ろうとする「後戻り」を起こすリスクが高まります。そうなると、次のステップのマウスピースが適合しなくなる「アンフィット」という状態に陥り、治療期間の延長や追加費用が発生する可能性もあります。食事と歯磨きの時以外は常にマウスピースを装着するという意識が非常に大切です。例えば、食事が終わったらすぐに歯を磨き、速やかにマウスピースを装着する習慣をつけるなど、日々の生活の中で工夫することで、スムーズな治療進行に繋がります。
2. アタッチメントやゴムかけを正しく使う
マウスピース矯正では、マウスピース単体での治療効果を高めるために、補助的な装置を使用することがあります。その代表的なものが「アタッチメント」と「ゴムかけ(顎間ゴム)」です。
アタッチメントは、歯の表面に直接接着する、歯と同じ色をした小さな突起のことです。これは、マウスピースが歯にかかる力をより効率的に伝達し、歯を回転させたり、歯の根元から平行に動かしたりといった複雑な動きを可能にするための「取っ手」のような役割を果たします。アタッチメントが外れてしまった場合は、速やかに歯科医院に連絡し、再装着してもらう必要があります。
また、出っ歯の治療では、上下の歯の噛み合わせを改善するために「ゴムかけ(顎間ゴム)」を使用することが非常に重要です。特定の歯と歯の間に小さなゴムをかけることで、マウスピースだけでは難しい方向への歯の移動を促したり、噛み合わせをより緊密にしたりする効果があります。ゴムかけも自己管理が求められる要素であり、歯科医師の指示通りに毎日、正しい位置と時間で使用することが、治療計画を順守し、理想的な結果を得るために不可欠です。
3. 治療後の保定装置(リテーナー)を必ず使用する
矯正治療を終えて理想の歯並びになったとしても、そこで油断は禁物です。治療によって動かした直後の歯は、周囲の骨がまだ安定しておらず、何もしなければ必ず元の位置に戻ろうとします。この現象を「後戻り」と呼び、これを防ぎ、美しい歯並びを長期的に維持するために不可欠なのが「保定装置(リテーナー)」の使用です。
「矯正治療はリテーナー期間も含めて完了する」という意識を持つことが非常に重要です。せっかく時間と費用をかけて手に入れた歯並びも、リテーナーの装着を怠れば、後戻りによって治療が無駄になってしまうリスクがあります。リテーナーには、歯の裏側に固定するワイヤータイプや、マウスピースと同じような取り外し可能なタイプなど、いくつかの種類があります。装着期間の目安は、一般的に矯正治療にかかった期間と同程度、あるいはそれ以上の期間が必要とされることが多いです。最初のうちは長時間の装着が求められますが、徐々に装着時間を減らしていける場合もあります。
リテーナーは、矯正治療の最終段階であり、美しく整った歯並びを一生涯保つための「保険」のようなものです。歯科医師の指示に従い、正しく継続して使用することで、後戻りのリスクを最小限に抑え、治療効果を維持することができます。
4. 症例経験が豊富な歯科医師を選ぶ
マウスピース矯正は、どの歯科医師が行っても同じ結果が得られるわけではありません。治療計画の立案、すなわち「どの歯を、どの順番で、どのように動かすか」というプロセスは、歯科医師の知識、経験、そして診断能力に大きく依存します。特に、出っ歯のように比較的難易度が高いとされる症例では、医師の技量が治療の成否に直結すると言っても過言ではありません。
クリニック選びの際は、いくつかのポイントに着目して慎重に選ぶことが大切です。まず、「日本矯正歯科学会の認定医・専門医」であるかどうかは、専門的な知識と経験を持つ医師を見極める一つの目安となります。また、検討しているマウスピース矯正システム(例えばインビザラインなど)の「症例数が多いか」も重要な指標です。プロバイダーランク(インビザラインの場合、治療実績に応じて与えられるランク)などを参考にすると良いでしょう。さらに、カウンセリングが丁寧で、治療のメリットだけでなく、起こりうるリスクや注意点についてもきちんと説明してくれる歯科医師を選ぶことが、後悔のない治療へと繋がります。
複数のクリニックでカウンセリングを受け、ご自身の疑問や不安を解消し、信頼できると感じた歯科医師に治療を委ねることが、マウスピース矯正を成功させるための重要なステップとなります。
出っ歯のマウスピース矯正に関するよくある質問
ここでは、出っ歯のマウスピース矯正を検討している方からよく寄せられる質問とその回答をまとめました。
Q1. マウスピース矯正で逆に出っ歯になることはありますか?
適切な診断と治療計画のもとで行えば、マウスピース矯正で逆に出っ歯になることはありません。歯科医師は患者様一人ひとりの歯並びや顎の状態を詳しく検査し、精密な3Dシミュレーションを用いて治療計画を立てるため、意図せず出っ歯が悪化するような事態は基本的に起こりません。
しかし、なぜこのような不安が生じるかというと、歯を並べるためのスペースが不足しているのに無理に歯を並べようとした場合、前歯が前方に押し出されてしまう「歯列のフレアアウト」が起こり、結果的に出っ歯が悪化したように見える可能性があるためです。これは不適切な治療計画に起因する問題であり、経験豊富な歯科医師を選び、精密な診断を受けることで未然に防ぐことができます。信頼できる歯科医院では、治療開始前に詳細な説明とシミュレーションが行われますので、疑問や不安があれば遠慮なく質問しましょう。
Q2. 横顔のEラインはきれいになりますか?
Eライン(エステティックライン)とは、鼻先と顎先を直線で結んだラインのことで、美しい横顔の基準の一つとされています。このEラインは、矯正治療によって口元の突出感が改善されることで、大きく変化する可能性があります。
特に、歯が原因の出っ歯(歯性の出っ歯)で、抜歯を伴って前歯を大きく後方に移動させることができた場合、口元がすっきりと下がり、Eラインが劇的に改善されることが期待できます。一方で、顎の骨格自体に問題がある骨格性の出っ歯の場合や、歯の移動量が少ない軽度の症例では、Eラインの変化は限定的となることがあります。どの程度の変化が見込めるかは、治療前の精密検査と3Dシミュレーションで確認できることが多いので、カウンセリング時に歯科医師に尋ねてみましょう。
Q3. 抜歯は必須ですか?
出っ歯の治療だからといって、必ず抜歯が必要なわけではありません。抜歯の要否は、前歯を後退させるために必要なスペースの量、顎の大きさと歯の大きさのバランス、そして最終的に目指す口元の審美的な改善目標など、さまざまな要素を総合的に判断して決定されます。
軽度の出っ歯であれば、抜歯をせずに治療を進められるケースが多く見られます。その際、歯の側面をわずかに削る「IPR(ディスキング)」や、奥歯をさらに後方へ移動させる「遠心移動」といった方法でスペースを確保することが可能です。しかし、中程度から重度の出っ歯の場合や、口元の突出感を大きく改善したい場合は、小臼歯などの抜歯が必要となることが多いです。抜歯によって十分なスペースを確保することで、前歯を大きく後退させることが可能になり、より理想的な噛み合わせと美しい横顔を実現することができます。
Q4. 市販のマウスピースに効果はありますか?
市販されているマウスピースに、歯科医院で行うマウスピース矯正と同等の効果を期待することはできません。また、自己判断での使用は大変危険であり、絶対に避けるべきです。歯科医院で行うマウスピース矯正は、歯科医師による詳細な検査と診断に基づき、患者様一人ひとりの歯の状態に合わせて精密な治療計画が立てられます。
歯を動かすという行為は、骨の代謝や歯周組織の健康状態を考慮する必要がある医療行為です。市販のマウスピースは、個人の口腔内の状態を考慮せずに作られているため、使用することで歯並びがさらに悪化したり、噛み合わせが崩れて顎関節症を引き起こしたりするリスクがあります。最悪の場合、歯の根が溶けてしまう「歯根吸収」が起こり、歯が抜け落ちてしまうような取り返しのつかない健康被害につながる可能性も否定できません。美しい歯並びと健康な口腔環境を手に入れるためには、必ず専門の歯科医師の診断と指導のもとで矯正治療を受けるようにしてください。
まとめ:あなたの出っ歯が治るか、まずは専門の歯科医師に無料相談しよう
マウスピース矯正は、軽度から中程度の歯が原因の出っ歯に対して非常に有効な治療法です。透明で目立ちにくく、取り外し可能なため衛生的で、日常生活への影響を最小限に抑えながら歯並びを改善できるという大きなメリットがあります。
しかし、骨格に原因がある出っ歯や重度の出っ歯、複雑な抜歯を伴う症例の場合には、マウスピース矯正だけでは治療が難しいケースも存在します。また、マウスピース矯正の治療を成功させるためには、1日20時間以上の装着時間を守る自己管理能力と、アタッチメントやゴムかけといった補助装置を正しく使用することが不可欠です。さらに、治療後の「後戻り」を防ぐための保定期間をしっかりと行い、経験豊富な歯科医師を選ぶことも治療を成功させる上で非常に重要なポイントとなります。
この記事を読んで、ご自身の出っ歯がマウスピース矯正で治る可能性があるのか、それとも難しいのか、ある程度の判断材料が得られたかと思います。しかし、最終的な診断は専門家でなければできません。多くの歯科医院では無料カウンセリングを実施しています。まずは気軽に相談に行き、専門家の目であなたの歯並びを診てもらうことから始めましょう。
少しでも参考になれば幸いです。
本日も最後までお読みいただきありがとうございます。
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