世田谷区千歳烏山駅徒歩2分の歯医者「千歳烏山交番通り歯科」です。
マウスピース矯正によって手に入れた美しい歯並びは、時間と費用をかけた努力の結晶です。しかし、治療が終わったからといってそれで終わりではありません。多くの方が抱える疑問として、「リテーナーはいつまで、どのように使い続ければ良いのだろう」という不安があるのではないでしょうか。
せっかく手に入れた理想の笑顔を将来にわたって維持するためには、リテーナーの適切な使用が不可欠です。この記事では、リテーナーの具体的な装着期間の目安、さまざまな種類とその特徴、そして多忙な毎日の中でも無理なくリテーナーを使い続けるための実践的なコツを詳しく解説します。リテーナーとの付き合い方を前向きに捉え、美しい歯並びを生涯の財産として守っていくための道筋を見つけましょう。
目次
マウスピース矯正後の「後戻り」を防ぐリテーナーの重要性
マウスピース矯正を終えられた皆様にとって、リテーナーの装着は決して「オプション」ではありません。それは、矯正治療に費やした貴重な時間、費用、そしてご自身の努力を無駄にしないための「必須」のプロセスです。もしリテーナーを適切に使用しなければ、歯並びは残念ながら元の状態へと戻ろうとします。この「後戻り」は、せっかく手に入れた美しい歯並びと、それによって得られるはずの自信を失ってしまうという、最も避けたいリスクなのです。
リテーナーは、この後戻りというリスクから大切な歯並びを守るための、最も確実で重要な手段です。例えるならば、それは矯正治療という大工事の「最後の仕上げ」と言えるでしょう。あるいは、手に入れた笑顔という「大切な資産への投資を守るための保険」と捉えることもできます。リテーナーを装着することは、単なる日々の習慣ではなく、ご自身の未来の笑顔への継続的な投資なのです。
この大切な仕上げを怠ってしまうと、数ヶ月から数年のうちに歯並びが乱れ始め、最悪の場合、再矯正が必要となることもあります。そうならないためにも、リテーナーの重要性を理解し、正しく使い続けることが、美しい歯並びを維持するための鍵となります。
なぜリテーナーは必要?歯が後戻りするメカニズムとは
矯正治療によって動かした歯は、新しい位置に移動した後も、実は元の場所に戻ろうとする性質を持っています。これは、まるで歯に「以前いた場所の記憶」があるかのように、自然と元の位置へ戻ろうとする力が働くためです。この現象を「後戻り」と呼び、多くの人が抱える歯並びの悩みの一つです。
歯が支えられているのは、歯茎の中にある歯槽骨(しそうこつ)や、歯根膜という組織です。矯正治療で歯が動くと、これらの周辺組織も少しずつ変化しますが、新しい歯並びの位置で完全に安定するまでには、ある程度の時間が必要です。安定するまでの間は、歯と周りの組織がまだしっかり結合しておらず、非常に不安定な状態にあります。この不安定な時期にリテーナーを使用しないと、歯は元の位置へと少しずつ動き始めてしまうのです。
リテーナーは、この不安定な時期に歯を新しい位置にしっかりと固定する「ギプス」のような役割を果たします。骨や歯茎が新しい歯並びに適応し、安定するまでの間、歯が元の位置に戻るのを防ぐことで、矯正治療で整えた歯並びを維持します。リテーナーの装着は、歯の記憶を上書きし、新しい歯並びを体に定着させるための大切なプロセスと言えるでしょう。
リテーナーはいつまで?装着期間の目安を段階別に解説
マウスピース矯正を終えられた皆さんが最も気になるのは、「この美しい歯並びを、いつまで、どのように維持していけば良いのだろう?」という点ではないでしょうか。せっかく時間と費用をかけて手に入れた理想の笑顔、後戻りだけは絶対に避けたいですよね。リテーナーの装着期間は、お一人おひとりの歯の状態や矯正の内容によって異なりますが、一般的に推奨される目安は存在します。
このセクションでは、矯正治療後の歯並びを安定させるために必要なリテーナーの装着期間を、具体的なステップに分けて詳しく解説します。矯正直後の最も重要な集中期間から、夜間のみの移行期、そして長期的な維持期まで、それぞれの期間における具体的な装着時間や注意点をご紹介しますので、ご自身の状況と照らし合わせながら読み進めてみてください。
ステップ1:矯正終了後〜1年【1日20時間以上の装着】
マウスピース矯正が完了した直後の約半年から1年間は、リテーナーの装着において最も重要な「集中期間」です。この時期の歯と歯を支える骨(歯槽骨)、そして歯茎などの周辺組織は、まだ新しい位置に完全に安定していません。そのため、歯が元の位置に戻ろうとする「後戻り」のリスクが非常に高い状態にあります。
この期間は、食事と歯磨きの時間以外は、ほぼ1日中(目安として20時間以上)リテーナーを装着することが不可欠です。日常生活の中で少し煩わしく感じることもあるかもしれませんが、この集中期間にどれだけ徹底してリテーナーを装着するかが、将来にわたって美しい歯並びを維持できるかどうかの鍵を握ります。ご自身の努力の成果を守るための、大切なステップと捉えて取り組んでいきましょう。
ステップ2:1年後以降【夜間のみの装着へ】
矯正終了後1年が経過し、歯科医師が歯並びの安定を確認できれば、いよいよリテーナーの装着時間を短縮し、夜間のみの装着へと移行していきます。この「夜間のみ」とは、具体的には就寝中の約8時間程度を指すことが多いです。日中の装着から解放されることで、食事や会話の際のわずらわしさがなくなり、生活の自由度が格段に上がることを実感できるでしょう。
しかし、夜間のみの装着になっても、リテーナーの重要性は変わりません。このステップでは、夜間の装着を習慣化させることが長期的な歯並びの安定につながります。自己判断で装着をやめてしまわず、必ず歯科医師の指示に従い、定期的なチェックを受けながら、無理なくリテーナー生活を続けていくことが大切です。
「リテーナーは一生つけるべき」は本当?長期的な装着のすすめ
「リテーナーは一生つけなければならない」という言葉を耳にして、驚かれたり、負担に感じたりする方もいらっしゃるかもしれません。しかし、これは決して大げさな話ではありません。矯正治療によって得られた美しい歯並びは、たとえリテーナーを外した後でも、加齢による生理的動揺(歯が少しずつ動くこと)や噛み癖、親知らずの生え方など、さまざまな要因によって再び変化してしまう可能性があるからです。
そのため、長期的に理想の歯並びを維持するためには、リテーナーの継続的な使用が最も効果的な方法とされています。毎晩、寝る前のスキンケアや歯磨きのように、リテーナーを装着する習慣を生活の一部に取り入れてみてください。夜間の数秒の習慣が、何年経っても変わらない美しい笑顔と、人前でも自信を持って話せる自分を支えてくれる、未来への大切な投資となるでしょう。
もしリテーナー装着をサボったら?期間別の後戻りリスク
マウスピース矯正で手に入れた美しい歯並びは、リテーナーをきちんと装着することで維持されます。しかし、「少しくらいサボっても大丈夫だろう」という油断は、せっかくの努力を水の泡にしてしまう可能性があります。ここでは、リテーナーの装着を怠った場合に、具体的にどのようなリスクがあるのかを期間別に解説します。これから「1日〜数日」「1週間以上」「長期間」という3つのケースに分けて、歯並びへの影響や、場合によっては再矯正が必要になる可能性についても詳しく見ていきましょう。
1日〜数日サボった場合:痛みや違和感が生じる
リテーナーの装着をわずか1日や2日程度怠っただけでも、再びリテーナーをはめようとしたときに、普段とは違う「キツイ」という強い圧迫感や痛みを感じることがあります。この不快感こそが、歯が元の位置に戻ろうと動き始めている明確なサインです。
この「キツイ」という感覚は、歯がほんの少しでも動き出している証拠であり、決して気のせいではありません。この体感を「後戻りのサイン」として捉え、毎日の装着を再開するきっかけにすることで、さらなる後戻りを防ぐことができます。
1週間以上サボった場合:リテーナーが入らなくなる可能性
リテーナーの装着を1週間以上にわたって怠ると、歯の移動はさらに進み、これまで使っていたリテーナーが物理的に「はまらない」、あるいは浮いてしまう状態になる可能性が非常に高まります。無理に押し込もうとすると、歯や歯茎を傷つけたり、リテーナー自体を破損させてしまう危険性があります。
このような事態に陥った場合は、決して自己判断で無理な装着を続けたり、放置したりしないでください。すぐに矯正治療を受けたクリニックに連絡し、指示を仰ぐことが重要です。状況によっては、リテーナーの再製作や調整が必要となり、費用や時間が追加で発生する可能性があります。
長期間やめてしまった場合:再矯正が必要になることも
もしリテーナーの装着を完全にやめてしまった場合、数ヶ月から数年をかけて歯並びは元の状態近くまで戻ってしまう「完全な後戻り」が起こりえます。これは、時間と費用をかけて手に入れた美しい歯並びが、全て無駄になってしまうことを意味します。矯正治療にかけた努力が水泡に帰すという、最も深刻な結末です。
後戻りの程度によっては、部分的な修正では対応しきれず、再び本格的な矯正治療(再矯正)が必要になるケースも少なくありません。再矯正には、再度多額の費用と長い治療期間が必要となり、精神的な負担も大きくなります。このような大きな代償を避けるためにも、リテーナーの継続的な使用は非常に重要です。
あなたに合うのはどれ?リテーナーの種類と特徴を比較
マウスピース矯正を終えた後、手に入れた美しい歯並びを維持するために欠かせないリテーナーには、いくつか種類があることをご存知でしょうか。ご自身のライフスタイルや重視するポイントによって、最適なリテーナーは異なります。ここでは、それぞれのメリットとデメリットを比較し、ご自身に合ったリテーナー選びの参考にしていただけるよう、具体的な情報をお伝えします。これからご紹介する「マウスピースタイプ」「プレートタイプ」「ワイヤータイプ」の3種類を、見た目、快適性、管理のしやすさ、耐久性といった様々な観点から詳しく解説していきます。
マウスピース(クリア)タイプ:目立ちにくく着脱が簡単
マウスピース矯正を経験された方にとって、最も馴染み深いのが透明なマウスピース型のリテーナーでしょう。このタイプの最大の魅力は、なんといっても透明で目立ちにくい点です。営業職で人前に出る機会が多い方でも、周りの視線を気にすることなく安心して装着できます。また、ご自身で簡単に取り外しができるため、食事や歯磨きの際に外すことができ、口内を清潔に保ちやすいという利便性も大きなメリットです。
しかし、着脱が簡単である反面、ご自身で装着時間を管理する必要があります。装着を怠ると後戻りのリスクが高まるため、自己管理能力が求められます。また、薄いプラスチック製のため、強い力が加わると破損する可能性があり、外食時などにうっかり置き忘れて紛失してしまうリスクも考えられます。紛失や破損の際は再製作が必要になり、費用が発生することもあるため、取り扱いには注意が必要です。
プレートタイプ:耐久性が高いがやや目立つ
ホーレータイプとも呼ばれるプレート型リテーナーは、プラスチックのプレートとワイヤーで構成されています。このタイプの大きなメリットは、その頑丈さです。非常に壊れにくく、長期間にわたって使用できる耐久性の高さが特徴です。万が一、装着中に歯並びにわずかな変化があった場合でも、歯科医師がワイヤーを調整することで歯の位置を微修正できる点も利点と言えるでしょう。
一方で、デメリットとしては、前歯の表側をワイヤーが通るため、マウスピースタイプに比べてやや目立つ点が挙げられます。特に人前で話す機会が多い方にとっては、見た目が気になるかもしれません。また、装着し始めた当初は、口の中に異物感があり、一時的に発音しにくさを感じたり、唾液が多く出たりすることもありますが、多くの場合、数週間から数ヶ月で慣れていくことがほとんどです。
ワイヤー(固定式)タイプ:自己管理が不要だが清掃が難しい
ワイヤー型リテーナーは、歯の裏側に細いワイヤーを直接接着して固定するタイプです。このリテーナーの最大のメリットは、ご自身で取り外す必要がないため、装着時間を気にするストレスや紛失のリスクが全くない点です。まさに「自己管理が不要」であるため、日々の忙しさの中でリテーナーの装着を忘れがちな方にとっては非常に有効な選択肢となります。また、歯の裏側に接着されるため、外からは全く見えず、審美性を損なわないのも大きな利点です。
しかし、デメリットとしては、ワイヤーが常に歯の裏側に固定されているため、その周囲に歯垢や歯石が溜まりやすい傾向があります。通常の歯磨きだけでは清掃が難しく、特にデンタルフロスが通しにくくなるため、丁寧なケアが求められます。清掃を怠ると虫歯や歯周病のリスクが高まるため、より入念なオーラルケアが必要です。また、ワイヤーが外れたり、切れたりするトラブルが起きた場合は、ご自身で修理することはできないため、速やかにクリニックを受診して修理してもらう必要があります。
もう面倒じゃない!リテーナー生活を快適に続けるためのポイント
マウスピース矯正を終え、手に入れた美しい歯並びを維持するためにリテーナーが重要だと分かっていても、「日々の生活で本当に続けられるだろうか」「正直、ちょっと面倒に感じる」といった不安を抱える方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、リテーナーの装着は、時間と費用をかけたご自身の努力を無駄にしないための大切な習慣です。このセクションでは、リテーナーの管理が特別なことではなく、無理なく生活の一部になるように、実践的な工夫やアドバイスをご紹介します。正しいお手入れ方法から、紛失・破損対策、外出時のスマートな対応、そして不快感への対処法まで、具体的なポイントを知ることで、リテーナー生活への心理的なハードルを下げ、快適に、そして前向きに継続していくヒントを見つけていきましょう。
正しいお手入れで清潔に保つ方法
リテーナーを常に清潔に保つことは、お口の健康を守り、リテーナー自体を長持ちさせるために非常に重要です。基本的なお手入れは、毎日リテーナーを外した際に、指や柔らかい歯ブラシを使って流水で優しく洗浄することです。歯磨き粉を使用すると、研磨剤によってリテーナーに細かい傷がつき、そこに細菌が繁殖しやすくなるため避けましょう。
汚れやニオイが気になる場合は、市販されているリテーナー専用の洗浄剤を週に数回使用すると効果的です。専用洗浄剤は殺菌効果もあり、リテーナーを衛生的に保つことができます。また、熱湯はリテーナーが変形する原因となるため、必ず常温の水かぬるま湯で洗浄してください。清潔なリテーナーを保つことで、快適なリテーナー生活を送ることができます。
専用ケースを活用して紛失・破損を防ぐ
リテーナーのトラブルとして最も多いのが、紛失や破損です。せっかく作ったリテーナーを失くしたり壊したりしてしまうと、再製作に時間と費用がかかるだけでなく、その間に歯が後戻りしてしまうリスクも高まります。こうした事態を防ぐための最も重要で簡単なルールは、「口の中にない時は、必ず専用ケースに入れる」という習慣を徹底することです。
特に外出先では、食事の際にリテーナーをティッシュやナプキンに包んでテーブルに置き、そのまま誤って捨ててしまうという失敗談をよく耳にします。これを防ぐためにも、常に専用ケースを持ち歩き、リテーナーを外したらすぐにケースにしまうように心がけましょう。自宅でも、リテーナーの定位置を決めておく、普段使いのカバンの中に常にケースを入れておくなど、紛失を防ぐための具体的な行動を習慣化することが大切です。
食事や飲み会の時のスマートな対応
営業職として人との会食が多い中で、リテーナーの扱いに困る場面もあるかもしれません。しかし、いくつかのポイントを押さえれば、スマートに対応することができます。まず、食事や飲み会の前に、人目につかない場所、例えば化粧室などでリテーナーを外し、必ず専用ケースに保管しましょう。
食後は、可能であれば歯を磨くのが理想的ですが、それが難しい場合は、水で口をよくすすぐだけでも構いません。口の中を清潔にしてからリテーナーを再装着するようにしてください。この一連の動作は、慣れてしまえば数分でできるスマートな所作になります。事前の準備と、外し忘れないという意識を持つことで、ビジネスシーンでもプライベートでも、リテーナー生活を気にすることなく楽しむことができるでしょう。
口の乾燥や話しにくさへの対処法
リテーナーを装着し始めたばかりの頃は、普段と異なるものが口の中にあるため、いくつかの不快な症状を感じることがあります。特に、口の中が乾燥しやすくなるという問題は、虫歯や口臭の原因にもなり得るため、意識的に対処することが大切です。こまめな水分補給を心がけたり、就寝時に加湿器を使用したりすることで、口の中の乾燥を和らげることができます。
また、リテーナーの装着によって「サ行」などが発音しにくく、一時的に話しづらさを感じる方もいらっしゃいます。しかし、これは一時的なもので、ほとんどの場合、1週間から1ヶ月程度で口が慣れてくることで解消されます。早く慣れるためには、意識して会話をしたり、一人で音読をしたりする練習も効果的です。少しの期間の不快感は、美しい歯並びを維持するためのステップと捉え、前向きに取り組んでいきましょう。
【困ったときは】リテーナーのよくあるトラブルと対処法
マウスピース矯正後のリテーナー生活は、美しい歯並びを維持するために欠かせません。しかし、予期せぬトラブルが起こることもあります。たとえば、「痛くて装着できない」「リテーナーを失くしてしまった」「もしかして歯が後戻りしている?」といった状況に直面すると、不安になるのは当然です。
このセクションでは、リテーナー使用中に起こりやすい典型的なトラブルとその対処法について詳しく解説します。これからご紹介する「痛みや違和感がある」「紛失・破損してしまった」「後戻りかもしれない」という3つのケースを参考に、いざという時に慌てず冷静に対応できるよう、正しい知識を身につけていきましょう。
ケース1:リテーナーが痛い・合わない
リテーナーを装着したときに感じる痛みには、正常な圧迫感と、異常を示す痛みの2種類があります。装着を始めたばかりの頃や、少し装着をサボってしまった後に再びはめると、「きつい」と感じたり、歯にじわじわとした圧迫感が生じたりすることがあります。これは、リテーナーが歯を正しい位置に固定しようとしている正常な反応であり、多くの場合、数時間から数日で慣れてくるものです。
しかし、特定の歯や歯茎に鋭い痛みや強い違和感が続く場合は注意が必要です。リテーナーが適切に合っていない、あるいは破損している可能性があります。自己判断でリテーナーを削ったり、調整したりすることは絶対に避けてください。異常な痛みを感じる場合は、無理に装着を続けず、速やかに矯正治療を受けたクリニックに連絡し、診察を受けるようにしてください。専門家による正確な診断と適切な処置が、歯とリテーナーを守る上で非常に重要です。
ケース2:リテーナーを紛失・破損してしまった
リテーナーの紛失や破損は、多くの人が経験する可能性のあるトラブルです。もしリテーナーを失くしてしまったり、壊してしまったりした場合は、パニックにならず、まずは速やかに矯正治療を受けたクリニックに電話で連絡することが最も重要です。リテーナーがない期間が数日間続くだけでも、歯は元の位置に戻ろうと動き始める可能性があるため、できるだけ早く次の手を打つ必要があります。
再製作には通常、数万円程度の費用がかかり、完成までには期間を要します。費用や期間の目安については、クリニックに問い合わせて確認するようにしましょう。また、このような事態に備えて、あらかじめ予備のリテーナーを作成しておくという選択肢も有効です。これは、特に仕事で出張が多い方や、日常的に紛失のリスクが高いと感じる方にとって、心のゆとりにもつながる対策となります。
ケース3:後戻りが起きてしまったかもしれない
「もしかしたら歯が後戻りしているかもしれない」という不安を感じたら、まずはご自身の歯並びやリテーナーの状態をよく確認してみましょう。リテーナーを装着した際に以前よりも明らかにきつく感じるようになった、歯と歯の間に以前はなかった隙間ができている、鏡を見て歯並びが少し変わったように感じる、といった変化は、後戻りのサインかもしれません。
このような変化に気づいた場合は、自己判断で様子を見たり、不安な気持ちを抱えたまま放置したりせず、速やかにクリニックを予約して専門家の診断を仰ぐことが大切です。後戻りは早期に発見できれば、リテーナーの調整や再製作だけで対応できる可能性も十分にあります。しかし、放置して後戻りが進行してしまうと、再矯正が必要になるなど、治療が大がかりになるリスクが高まります。大切な歯並びを守るためにも、少しでも不安を感じたらすぐに歯科医師に相談するよう心がけてください。
マウスピース矯正後のリテーナーに関するQ&A
マウスピース矯正後のリテーナー生活について、よくあるご質問とその答えをまとめてご紹介します。リテーナーの費用や装着中の飲食、そして定期検診の頻度など、皆さんが日々の生活で疑問に思いがちな点について、具体的かつ明確に回答していきます。このセクションで、リテーナーに関する最後の疑問を解消し、安心して矯正後の生活を送るための一助となれば幸いです。
リテーナーの費用はどのくらいかかりますか?
リテーナーにかかる費用は、種類やクリニックによって異なりますが、一般的に上下顎のセットで1万円から6万円程度が目安となります。多くの場合は、矯正治療費の中に最初のリテーナー1セット分の費用が含まれていることが多いです。しかし、紛失や破損によってリテーナーを再製作する際には、別途費用が発生するのが一般的です。そのため、万が一に備えて予備のリテーナーを作成しておくことも、長期的な視点で見ると良い選択肢となるでしょう。
リテーナーの費用は、お使いになるリテーナーの種類によっても変動します。例えば、取り外し式のマウスピースタイプやプレートタイプ、歯の裏側に固定するワイヤータイプなど、それぞれに費用が設定されています。治療を受けるクリニックで、具体的な費用について事前に確認しておくことをおすすめします。
装着したまま食事や色の濃い飲み物を飲んでもいいですか?
リテーナーを装着したままの食事や、水以外の色の濃い飲み物を飲むことは避けてください。これには主に3つの理由があります。まず、リテーナーを装着したまま食べ物を噛むと、リテーナーが破損してしまう可能性があります。特にマウスピースタイプはデリケートなため、強い力が加わるとひび割れや変形につながります。
次に、食べ物のカスがリテーナーと歯の間に挟まることで、虫歯や歯周病のリスクを高めてしまいます。また、コーヒー、紅茶、ワインなどの色の濃い飲み物は、リテーナーに色素が沈着し、変色や着色の原因となります。リテーナーを清潔に保ち、長持ちさせるためにも、食事や色の濃い飲み物を飲む際は、必ずリテーナーを外して専用ケースに保管するよう心がけてください。唯一の例外は「水」です。水分補給のための水であれば、装着したままでも問題ありません。
リテーナーの定期検診はどのくらいの頻度で必要ですか?
リテーナー期間中の定期検診は、美しい歯並びを維持するために非常に重要です。矯正治療が終了した直後は、歯並びがまだ安定していないため、3ヶ月から半年に1回の頻度で検診を受けることが推奨されることが多いです。その後、歯並びが安定していると判断されれば、1年に1回程度の頻度へと移行することが一般的です。
定期検診では、リテーナーが正しく歯に適合しているか、破損や変形がないかを確認します。また、歯並びに後戻りが見られないかをチェックし、必要に応じてリテーナーの調整を行います。さらに、お口全体のクリーニングや虫歯・歯周病のチェックも行われるため、ご自身の歯の健康を維持するためにも、自己判断で検診を中断せず、歯科医師の指示に従って定期的に受診することをおすすめします。
まとめ:リテーナーは美しい歯並びを維持するための大切なパートナー
マウスピース矯正を終えられた皆さんは、時間も費用も、そして何より大きな努力を重ねて理想の歯並びを手に入れられました。その大切な努力の結晶である美しい笑顔を、これからもずっと維持していくために欠かせないのがリテーナーです。リテーナーは、単なる治療の延長ではありません。手に入れた自信と、輝く未来への投資を守るための、かけがえのないパートナーと言えるでしょう。
「いつまで装着すれば良いのだろう」「面倒ではないか」といった不安をお持ちかもしれませんが、この記事でご紹介したように、リテーナーの装着期間には段階があり、正しい知識と少しの工夫で、日々の生活に無理なく取り入れることができます。夜のスキンケアや歯磨きのように、毎日の習慣の一部としてリテーナーと向き合うことで、後戻りの不安から解放され、より安心して笑顔を見せられるようになります。
リテーナーとの付き合いは長く感じるかもしれませんが、それは美しい歯並びと健康なお口を未来にわたって守るための大切なステップです。今日得た知識を力に変えて、前向きな気持ちでリテーナーライフをスタートさせてください。あなたの努力が、これからもずっと輝き続けることを心から願っています。
少しでも参考になれば幸いです。
本日も最後までお読みいただきありがとうございます。
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